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HOLZ三河ニュース
No.0059
現在、最新のHOLZ三河ニュースです。
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  国産材新流通・加工システム検討の行方
林野庁では、資源量やその成熟度等の各地域ごとに異なる木材供給の水準を、大規模需要者(大手住宅メーカー等)のより厳しくかつ多様な要求とマッチングさせるために必要な、価格の安定度合い、原木供給量等の具体的条件やこれを確保するための取組方向等を明らかにするとともに、モデル地域において具体的、実証的にシステム構築の方策等を検討することとし、学識経験者、有識者等からなる検討委員会を下記のとおり開催することとしました。(林野庁プレスリリースより)
この検討委員会では、大規模需要者(大手住宅メーカー等)のニーズに対応して、低コストで品質・性能の明確な木材を安定的にまとめて大量に供給できる体制づくりという点に関し、一定の方向性を見いだすとともに、システムを構築する具体的方策を明らかにすることを目的としており大規模需要者の厳しい多様なニーズに応えていくため素材生産から木材の加工、流通の段階まで、それぞれの各段階における必要条件やこれを確保するための取組方向等をモデル地域(東北及び九州ブロック)において具体的、実証的に明らかにすることとしている。(中間取りまとめ序文より)
詳細は林野庁のホームページ、7月28日のプレスリリースより別添となっているリンクを開くと、23ページの中間取りまとめを見ることができます。
この中で「木材産業の現状をみると、これまでのような柱角を中心とした流通・加工体制のみでは、今後、新たな用途開発による需要の多様化に対応できず、成熟してきている国内森林資源の有効活用が図られない恐れがある。また、ほとんどの産地では、柱生産に偏重した原木の生産・流通構造が形成されており、柱の需要が減少し、価格が安値基調にあるだけでなく、間伐材、曲材、短尺材、欠点材等の、いわゆる柱適材でない「B材」の利用拡大が図られないことが要因となって林業と木材産業が極めて厳しい状況にあるというのが実態である。」そこでこの対策として。
@ 地域の原木の質的・量的な供給能力を踏まえ、これまでは利用されなかった低質材の利用を図ることを重視しつつ、地域の民間活力を活用する形で、原木の総合的かつ合理的な流通・加工体制を構築することを基本として、
A 従来からの乾燥材生産対策等に加え、今回は新しい流通・加工の方向として、大規模需要者に販路をもつ、あるいは、仕様として採用されやすい集成材、合板等のエンジニアードウッド等に国産材を使用していくことに焦点を当て、
B ラミナ(板割)工場や合板工場等に、間伐材や曲材等の低価格原木など、それぞれに原料としての適材を大量かつ安定的に供給できる新しい効率的な素材生産・原木流通システムの形成や、利用を重視した間伐への積極的な対応を図り、
C 従来の柱生産主体の生産方式の転換として、拠点的な集成材工場にラミナを安定的に供給するための製材工場のラミナ(板割)工場への再編等を図ることを基本的なコンセプトとする。と結論付けている。
この検討は、おそらく今後森林の整備に伴い発生する低質な材の利用先を確保しなければ、肝心の森林の整備そのものが進められないという事情から、その利用先をエンジニアードウッドに求める考えと思われます。しかしながら大手住宅メーカーの需要に対応するためということであれば、当然一定量の確保が求められることになり、エンジニアードウッドの原料の主流は中目材など量の確保が可能で加工も容易なものになり、原料の安定的な確保が困難で加工に手間のかかる曲り材や短尺材、欠点材などはコスト競争に再び利用先を失うという結果になりはしないだろうかという点が気にかかります。
木材の品質の標準は集成材と認識すべきとの考えからこの検討は始まっているようですが、果たして外材の特色を基に、大手住宅メーカーが全国的に均質な住宅を提供することを目的に整備された現在の木造住宅の基準を、今後国産材を利用するように転換する過程でそのまま踏襲しなければならないのか、この点に関してぜひもう一度深い議論を行い、シックハウス症候群をもたらす高気密、高断熱の住宅に変わる、日本の風土に合ったそして地域の文化の源でもある家作りを模索するところから始めてみる必要があるのではないでしょうか。(藤田)
 
  桂 ―カツラ―
ホルツに初出品と思われる?桂が今回のテーマです。
桂は日本の名木で、中国にはよく似た木があるそうですが、他の国にはない木で、英語でもカツラ・ツリーで通用するそうです。日本には枝垂れ型シダレカツラ、大型の葉をもつヒロハカツラがあり、ヒロハカツラは本州中北部に限られます。
高さは30m以上になり、大きなものになると直径が4〜5mというのも珍しくありません。しかし、それだけの大木になるとたいていは洞になってまわりの側だけが残ったものが多く、その側から新芽が吹き、新条が伸びてしばしば何本にも分かれた萌芽更新が行われます。中国での「桂」はモクセイ(キンモクセイ)のことで、日本の桂とは違う植物になります。中国南部の景勝の地、桂林はキンモクセイで有名なところで日本でいう桂の樹から名付けられたのではありません。葉は丸っこいハート型でとてもかわいらしくヨーロッパやアメリカでも賞され、多くの植物園や公園でもこの樹が植えられています。美しい樹で、春の新芽時には全体が紅色に染まっているように見える。花も小さいですが紅色で新芽よりも少し早く咲き、春の桂の紅色がさらに強調されます。
桂は雌雄異株で、雄株の新芽は雌株の新芽よりも発芽の時により美しい紅色を呈することから緋桂と呼ぶことがあり、これに対して雌株を青桂とも呼びます。
さて、用材としての桂は、まっすぐに伸びる樹なので、長い材がとれ、木目も直線的で枝も概して細いのに節も少なく美しい材が得られるとのこと。北海道では丸木舟の用材としてしばしば用いられたらしく、各地で出土する丸木舟には桂でつくられたものが多いそうです。
「温かい木」という見方もあります。この温かいというのは、モノは一般的に比重が大きいほど冷たく感じられます。例えば、金属やガラスは比重が大きくその分冷たく感じます。木はあらゆる物の中ではどちらかといえば温かい方にはいりますが、木でも比重の大きい黒檀や紫檀、樫や欅は冷たく、桐や杉は軽くて温かく感じます。桂は木材の中では比重が中くらいですが、木の繊維の方向の関係で桧や松よりも温かく感じられるそうです。また比重も堅さも強度も中くらいで、一般に木目によっての材のバラツキが少なく、切削もしやすい、とても扱いやすい材ということから生活の場面でもオールラウンドに使われています。箪笥や棚、仏壇や仏具、製図版や木琴、オルガンなどの楽器、そして彫刻用としてなどです。また、最も高級な碁盤はカヤですが、カヤの木が少なくなり、桂が多く使われているそうです。白や黒の石を置いた時の色の対比がよく、パチンと打った時の音と感覚が堅すぎもせず柔らかすぎもしないとのこと。
余談ではありますが、前回とりあげた「栓」の木の出品がありました。雑として公売明細書には掲載してしまいましたが、本当に白い木でした。違うところがありましたらどんどんご指摘ください。よろしくお願い致します。(日浦)
 
  第67回市況
8月7日木曜日、HOLZ三河第67回市を、約70名の買方のご参加、約850m3 の出品で開催いたしました。
梅雨明け後のご出品量の増加を期待していましたが、残念ながら期待したほどの増加はありませんでした。相場は相変わらず桧が強くとくに4m材は細物から中目、選木すべてにわたって奪い合いの状態が続いています。次回28日の市までにこの状態が解消されていることは無いと見込んでいますので、急いで桧のご出品をお願いします。
さて、いよいよ丸太のハイシーズンが近づいてきました。HOLZ三河では今年も9月25日の穂の国市を皮切りに11月6日の三河材まつりまで「2003年三河材フェア」を開催いたします。例年どおり様々な催しも予定しておりますので良材のご出品と、買い方のご参加をお待ち申し上げます。