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HOLZ三河ニュース
No.0051
現在、最新のHOLZ三河ニュースです。
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  バイオマス・ニッポン総合戦略
持続的に発展可能な社会の実現に向けて(3)
これまで2回に分けて昨年12月に閣議決定された「バイオマス・ニッポン総合戦略」について説明してきましたが、最終回の今回はいよいよ「3 「バイオマス・ニッポン」実現に向けた基本的戦略」を検証してゆきたいと思います。
まず第1番目に挙げているのが「国民的理解の醸成」。「「バイオマス・ニッポン」の円滑な実現には、バイオマスを総合的に利活用するシステムを構築することが前提であり、このためには、バイオマスの利活用に関わるすべての人々の理解と協力が必要である。」として、具体的には「バイオマスの利活用が二酸化炭素排出削減対策や吸収源対策として地球温暖化を防止する効果があること等について、わかりやすく説明していくことにより、「バイオマス・ニッポン」の構築が、今後の国民一人一人の生活に深く結びついていることを十分周知することが必要」との見解を示している。
これについてはまったく同感です。バイオマスに関しては現在「十分な理解」どころか、ほとんど知られていないといっても過言で無い状態で、仮に「バイオマス」という言葉を聞いたことがあっても「バイオテクノロジー」と混同している人が大半ではないでしょうか。この問題に関しては短期間に集中的に且つかなり大胆に広報活動を展開しないと2010年の目標に間に合わなくなることも考えられる。関係者の発想の転換を期待したいところです。
その他の様々な展開については端折らせていただくが、「農林漁業者がバイオマス・ニッポンの実現に向け大きな役割を果たすことが」期待されていることは注目すべき点でしょう。
先日、3月29日の土曜日に新城市の主催で「『バイオマス・ニッポン総合戦略』の背景(課題)とバイオマスへの期待」と題する勉強会がありました。講師は農林水産省バイオマス・ニッポン総合戦略策定プロジェクトチーム企画官の長野麻子さんで、プロジェクト発足のきっかけや、名称に関する裏話なども織り交ぜてわかりやすく(バイオマスに関する基礎知識の無い人には難しいのかも知れないが)説明していただく機会がありました。
土曜日にもかかわらず会場が埋め尽くされるほどの出席者で、関心の高さ(新城市の熱心さ)が伝わり、最後の質疑応答ではほとんど加熱状態で、私も挙げかけた手を遠慮して下ろしてしまうほどでした。そのいくつかの質問のなかに日本と欧米の取り組みの現状と進展計画に関するものがありました。アメリカでは総エネルギー消費量に占めるバイオマスエネルギーの比率を現状の3%から2010年には8%に、EUでは現状の3%から2010年に9%それぞれ大幅に増やそうという計画があるのに対して、日本は「新エネルギー」を現状の1%から2010年に3%に増やす計画が資料に載っていることに関して、「欧米の9%に比較して3%では低すぎるのではないか」という趣旨のものでした。ところが資料を注意してみないとわかりにくいのですが、日本の3%というのは「新エネルギー」全体のことで「バイオマスエネルギー」の限れば実にわずか0.15%!!しか計画に載っていないのです。これでは「バイオマス・ニッポン」の名が泣くと感じるのは私だけではないでしょう。ぜひ今後、より大胆にそして迅速に「バイオマス・ニッポン」総合戦略や「森林吸収源対策」を進めるために、あまりにも低すぎるいくつかの目標の見直しを大至急進めてもらいたいものです。(藤田)
 
 
トピックス「枝虫被害木を積極的に使った家が新築されます」
〜静岡県磐田郡龍山村の和田ご夫妻のお話〜
ご夫妻は昨年の夏頃より当ホルツへ鳳来町産の杉・桧の優良材をご出品されております。
3年前まで郵便局にお勤めされていた方とは思えぬほどの手際の良さで大型重機を操り、作業道を開設しながら毎回の市にあわせて、お二人だけのお力で伐木〜造材〜出材〜運搬をして頂いております。
 実はこの山、この天竜三河地域の我々林材業界が、今最も重要視している問題のひとつである枝虫の被害にあっています。樹齢200年の天然木から若木のうちから枝打ちをされてきた柱材の桧も、中目板取りに最適な80年から間伐適齢期の杉まで、その被害は相当なものです。古い被害を年輪で数えると50年前からの被害といえます。
ご夫妻は当初近隣の製材や森林組合の加工所などに直売する事を計画されましたが、どこでも枝虫被害木は敬遠されたらしく、最終的に当ホルツの市へ出品されました。ちょうど夏場の桧の品薄な時期で我々すら驚くような強い相場でした。
 ご夫妻は市への出品と平行して自家用材を賃挽き加工しながら、半年以上の年月を掛けてこの度4月10日に待望の上棟式を終えられました(浜松市都田町/50坪)。
丸太で半値といわれ、化粧材としてはまるで利用価値がないとまで忌み嫌われている枝虫被害木ですが、ご夫妻は構造材に限らずフローリング材に至るまで積極的に使用されているそうで、「2〜3枚は室内には使えなくても他に使えるし、何より丸太が安いから結果としては大変お買い得となる。」そうです。
この建物、当ホルツから車で30分と近いですし、「枝虫被害木を積極的に使った家」として興味のある方がいましたら見学ツアーもウェルカムとご夫妻のご承諾も頂いております。参加希望の方は内装工事があまり進まない早い時期に行ないたいと思いますのでお早めにご連絡ください。(森下)
 
  第59回市況
4月10日木曜日HOLZ三河第59回市が、約80名の買方のご参加、約1,500m3 の出品で開催されました。
平成15年度がいよいよスタートしました。原木市場も4期目を迎え(あっという間の3期でした)また新たな第一歩を踏み出しました。昨年のスタートに比較してことしは市況もまあまあの水準で推移して、我々としてはホット一安心といったところですが、製品市況を考えると喜んでばかりもいられません。お隣の天竜共販所の市況に「県産材利用促進策が実り需要が増えている」といった趣旨のことが書いてありましたが、愛知県ではいまだに需要は伸びずうらやましい限りです。
さて今回の市況は、相変わらずの品薄状況から全体的に底堅いところを維持しています。買われるところと、そうでないものとの違いはよりはっきりしてきたようで、一部に売り難いものもありますが、今後急激に下げに転ずることはなさそうです。次回もご出品お買上よろしくお願い申し上げます。